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以前ウェブサイトの問い合わせフォームから表題『「京都-小田原」の新幹線回数券に「小田原-東京」の切符を追加購入すれば東京まで行けるのか?』という質問をいただきました。
回答を簡潔に述べれば『問題なく利用できる』というものでしたが、こういったケースの対応にはいくつか注意点があるのでご案内しておこうと思います。
金券ショップで販売している新幹線回数券の使い方や利用条件についてはこちら
新幹線回数券は金券ショップでかなり売れる商品です。その分問い合わせも多いので、使えない期間、指定席への変更方法、途中下車や乗り越し精算、有効期限、買取価格を高くするコツなど、個別の情報についても詳しく紹介しています。
この記事をご覧の方には「金券ショップでクレジットカードが使えない理由」も参考になります。
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回数券の区間外でも切符を購入すれば利用できる
今回問い合わせフォームからご質問いただいた方は、恐らく下記のような状況だったのだと思います。
- 小田原に行く用事があったので金券ショップで京都-小田原を購入
- 何らかの事情で行き先が東京に変更となる
遊びや旅行など私用の場合は上記のように行き先が変更になることはあまりないでしょう。
ですが、仕事で出張に行く場合などは往々にして行き先が変わってしまうケースはあります。
他にも、行き先を勘違いしていて、切符を購入後に区間を間違えて買っていたことに気付く場合などもあります。
金券ショップで店番をしていても、頻繁にあるというほどではありませんが、月に1回ぐらいはこういったケースのお客さんがお見えになります。
なお、今回のケース「京都-小田原」に「小田原-東京」を買い足す時に、のぞみが止まらない区間で区切ってしまっている点を心配される方も多いですが、特に問題なく切符を継ぎ足すだけで利用することができます。
さて、この問い合わせの回答の際にもお伝えしましたが、不足している区間の切符を継ぎ足す場合はいくつか注意点があります。
- 「京都-小田原」「小田原-東京」の合計金額が「京都-東京」より高い可能性がある
- 「京都-小田原」の回数券は自由席券なので、指定席券への変更が不可能である
それぞれの注意点についてもう少し詳しく説明していきます。
新幹線回数券では区間を区切ると定価より高くなることが多い
今回のケースでは、先に金券ショップで「京都-小田原」を購入してしまっているため、東京駅まで行きたい場合は「小田原-東京」の切符を買い足すことになります。
切符のルール上はこの対応に特に問題はありません。
ですが、新幹線回数券では区間を区切ると定価より高くなってしまう場合が多いのです。
この原因は新幹線の料金が距離が長い方が1kmあたりの料金が安くなるJRの料金計算方法によるものです。
一部の区間では2つ以上の区間で区切った方が安くなることもありますが、新幹線回数券は区間を区切ると高くなるケースが多いのです。
具体的な計算方法や金額は後でご案内しますが、「京都-小田原」に「小田原-東京」を買い足した場合、「京都-東京」のJRの正規料金よりも890円高くなってしまいます。
新幹線自由席回数券は指定席券への変更が不可
新幹線自由席券回数券を指定席券に変更することは原則不可能になっています。
リンク先の記事で紹介しているように一つだけ方法がありますが、新幹線自由席回数券で指定席を利用する場合、追加料金が取られるのはもちろん、利用している指定席を予約した方が乗車してきた場合、速やかに席を譲らくてはなりません。
さらに、指定席の利用は新幹線への乗車後限定となっています。
つまり、みどりの窓口など駅構内で切符を販売している有人窓口で、事前に新幹線自由席回数券に追加料金を支払って指定席券を購入することはできないということです。
ちなみに、私はこの方法をお客さんに聞かれても「やめておいた方がいい」とアドバイスしています。
金券ショップで働くようになったばかりの時に、ルールの確認やお客さんへの説明のために、自分でこの方法を試したことがあります。
その時、指定席に座っていると別の乗客の方が申し訳なさそうに
そこは私の席なのですが…
と言ってくるので、私もすぐさま
すみません。すぐどきます。
と言って隣の席に移動しました。
ただ、運が悪いと移動した席にも乗客が来たりして、何度か気まずい空気になってしまう可能性もあります。
正直なところ、他人と話すことに対してシャイな傾向にある日本人には不向きの利用方法だと思います。
こういったことが気にならないという方は利用してもいいと思いますが、これが平気な方はあまりいないのではないかと思います。
最も安く済ませる方法は何だったのか
今回のケースでは切符を追加する方法にも2つありますし、切符を返品または買取して新しく買いなおすという方法がありました。
これらの中のどれが最もコストを安くすることができたのでしょうか。
それぞれ検証してみたいと思います。
「京都-小田原」+「小田原-東京」(JRで購入したの場合)
まずは今回の質問者が(恐らく)採用した方法である、「京都-小田原」の回数券に「小田原-東京」の新幹線切符を追加購入して「京都-東京」として利用した場合です。
この場合「京都-小田原」間が自由席券になるので、「小田原-東京」間も自由席券を購入します。
その場合の価格は下記の通りです。なお、「京都-小田原」の金券ショップでの販売価格は京都駅近郊を中心に店舗展開をしているチケットショップトーカイの値段を参考にしています。
- 京都-東京(自由席)のJR定価:13,080円
- 京都-小田原(自由席)の金券ショップ販売価格:10,750円
- 小田原-東京(自由席)のJR定価:3,220円
- 「京都-小田原-東京(自由席)」の合計金額:13,970円
「京都-東京(自由席)」の切符をJRで購入した場合が13,080円、金券ショップで購入した「京都-小田原(自由席)」に「小田原-東京(自由席)」をJRで購入した場合の合計金額が13,970円になりました。
つまり、JR定価の方が890円安いという結果になっています。
「京都-小田原」+「小田原-東京」(金券ショップで購入した場合)
今回の質問者は恐らく京都在住の方なので、「小田原-東京」間の新幹線自由席回数券を金券ショップで購入することはまず不可能です。
(京都近辺では小田原発着の新幹線回数券が発券できないため)
ですが、念のためJRで購入した場合と差額がいくらになるのか検証しておこうと思います。
なお、今回「小田原-東京」の金券ショップでの販売価格は東京近郊を中心に店舗展開しているアクセスチケットの値段を参考にしています。
この場合、最初のケースとの変更点は「小田原-東京」の価格だけです。
- 京都-東京(自由席)のJR定価:13,080円
- 京都-小田原(自由席)の金券ショップ販売価格:10,750円
- 小田原-東京(自由席)の金券ショップ販売価格:2,800円
- 「京都-小田原-東京(自由席)」の合計金額:13,550円
「京都-東京(自由席)」の切符をJRで購入した場合が13,080円、金券ショップで購入した「京都-小田原(自由席)」に「小田原-東京(自由席)」も金券ショップで購入した場合の合計金額が13,550円になりました。
つまり、このケースでもJR定価の方が470円安いという結果になっています。
「京都-小田原」を返品して「京都-東京」を購入した場合(返品可能)
もし、金券ショップで購入した「京都-小田原」が返品できたらどうなるでしょう。
基本的に金券ショップでは販売した切符の返品や交換は受け付けていません。
ですが、店舗によっては購入当日やレシート記載の日付から3日~7日程度の間で、レシート持参で返品可能なサービスを採用している金券ショップもあります。
短い期間ではありますが、返品を可能にすることで、お客さんが安心して切符を購入できます。
かえって切符が売れるようになるという効果も金券ショップは期待しているのでしょう。
このケースでは、「京都-東京」の指定席回数券をチケットショップトーカイで購入したことにします。
なお、この場合は「京都-東京」の新幹線回数券が指定席券しかないため、指定席の値段を定価とします。そのため、繁忙期や閑散期などの時期によって価格が若干変動することをご了承ください。
- 京都-東京(指定席)のJR定価:13,910円(通常期)
- 京都-東京(指定席)の金券ショップ販売価格:13,200円
- 「京都-小田原-東京(自由席)」の合計金額(最安値):13,550円
金券ショップで返品ができれば、「京都-小田原(自由席)」を返品して「京都-東京(指定席)」を購入した方が、追加で「小田原-東京(自由席)」を金券ショップで購入した場合の合計金額より350円安くなります。
返品ができれば返品して買いなおした方が切符が指定席券にもなるのでお得ですね。
「京都-小田原」を買取して「京都-東京」を購入した場合(90%換金)
さて、金券ショップで返品を受け付けてもらえない、または受け付け可能期間を過ぎてしまった場合は、買取という対応になります。
つまり、一度「京都-小田原(自由席)」の回数券を買い取ってもらって、再度「京都-東京(指定席)」の回数券を購入する方法です。
金券ショップで1枚切符を買取する場合の買取率は店舗によって違います。
全国的に期限が2ヶ月以上残っていれば90%程度の買取率になるので、この金額で計算します。
なお、売価基準か原価基準かも店舗によって異なります。
ここでは原価(JR回数券定価)で考えることにします。
- 京都-小田原(自由席)の金券ショップ販売価格:10,750円
- 京都-小田原(自由席)の回数券JR定価:10,570円
- 京都-小田原(自由席)の金券ショップ買取想定価格:9,513円
- 京都-東京(指定席)の金券ショップ販売価格:13,200円
- 京都-東京(指定席)購入に必要な追加金額:3,687円
- 切符の購入、返品、買取、再購入の合計金額:14,437円
- 「京都-小田原-東京(自由席)」の合計金額(最安値):13,550円
- 「京都-小田原-東京(自由席)」の合計金額(JR追加):13,970円
計算が分かりにくくなってしまって申し訳ないのですが、切符を買取してもらって再度「京都-東京(指定席)」を購入するわけですから、買取金額との差額3,687円を最初に購入した「京都-小田原(自由席)」は10,750円にプラスすれば、合計金額14,437円が出ます。
この場合、金券ショップで切符を追加購入した場合と比較して887円、JRで切符を追加購入した場合と比較して467円、買取の対応だった場合は高くついてしまいます。
金額だけ見ると損をしているように見えますが、切符を追加購入した場合は自由席になります。
指定席への変更料金が高くても887円で済むと考えれば、金券ショップで買取対応をしてもらい指定席券を買いなおすという選択も十分考えられると思います。
金券ショップで購入した回数券と違う区間を利用することになった場合の対処法
今回問い合わせいただいたようなケースに陥ってしまう方はそれなりの頻度でいらっしゃるのではないかと思います。
どういう対応をすれば一番損失が少なく済むかという対応は購入した区間によって変わってきます。
若干不足はあるのですが、できる限り一般化した対応を紹介するので、金券ショップで購入した切符の区間と違う駅に行きたくなった時の参考にしてもらえれば幸いです。
購入した店舗に返品が可能か問い合わせをする
まずは購入した金券ショップで返品対応を受け付けているかの確認をするのが一番です。
購入から〇日以内でレシート所持など何らかの条件があるとは思いますが、この対応をしてもらえるなら、これを受けるのが最もお得で楽な方法になります。
もし、返品対応ができないという回答だった場合には、買取ってもらった場合の参考金額を聞いておき、メモしておくのがおすすめです。
なお、新幹線回数券は有効期限があるのと、金券ショップの店頭在庫が日々変動するため、買取金額は当日限り有効であると考えておくのが無難です。
金券ショップによっては買取金額を明言しないよう対応している場合もあります。
その場合は、今持っている切符の区間と自由席・指定席の種類、有効期限を伝えて、当日来店した場合の買取金額を教えてもらえるかどうか頼んでみるといいかもしれません。
これでも教えてもらえなかった場合は購入金額から1,000円ほど引いた金額で仮計算するといいでしょう。
該当区間のJR定価を調べる
次に行うのは、利用することになった区間のJR定価を調べることです。
私がよく料金計算に利用しているのは乗換案内ジョルダンというサイトです。
乗換案内ジョルダンはJRの公式サイトや私鉄の公式サイトと違い、基本的に全ての路線を利用することを考えてくれるので便利です。
なお、乗換案内のサイトはデフォルトで新幹線は指定席を利用することになっている場合が多いので注意してください。
自由席回数券を利用する場合は自由席料金と比べる必要があります。
追加する区間のJR定価を調べる
該当区間のJR定価を調べたら、その金額を何かにメモしておき、所持している新幹線回数券を利用する場合、追加しないといけない切符の区間についてJR定価を調べましょう。
なお、この時に合計金額も計算しておくと、金券ショップに買取依頼をしてもらう場合に許容できる金額を判断しやすくなります。
ここでも調べる料金が指定席料金なのか自由席料金なのかしっかり確認しおくようにしましょう。
購入した切符の代金+不足区間の代金<該当区間の代金の場合
今回のケースでは「京都-小田原」に「小田原-東京」を足した金額が「京都-東京」の金額より高くなってしまっていました。
もし、追加で切符を購入した合計の金額が、利用することになった区間のJR定価より安くなっている場合は、そのまま追加で切符を購入して利用するといいでしょう。
ただ、基本的に区間を区切ると料金は高くなることの方が多いため、このパターンはあまりないものとして考えておいた方がいいと思います。
購入した切符の代金+不足区間の代金>該当区間の代金の場合
今回のケース「京都-小田原」に「小田原-東京」を追加する場合と同様、多くの場合で追加した切符の代金との合計金額が、該当区間のJR定価より高くなってしまうと思います。
ですが、最初に金券ショップで返金できるかどうかを確認し、不可となっているはずなので、どの対応をするか決めなくてはいけません。
買取額が購入時といくらの差額になるか確認
金券ショップに回数券を買取してもらった場合、購入時との差額がいくらになるのかを計算するのが最も分かりやすい方法になるでしょう。
買取金額が分からない場合は、とりあえず1,000円の差額になると考えれば大体の金額が計算できます。
今回のケース「京都-小田原」に「小田原-東京」を追加する場合では、買取依頼をしてもらうより追加で切符を購入した方が合計金額が安くなりました。
ただ、今回のケースのように自由席か指定席か利用できる席の種類が変わってくる場合もありますから、最終的には総合的に判断することになると思います。
よく分からない場合は不足分の区間を購入
ここまでに紹介した料金計算の方法は調べる区間や席の種類に気を配る必要があったりと、計算が複数回必要で、かつ複雑なものになりがちです。
今回のケース「京都-小田原」に「小田原-東京」を追加する場合、自由席の利用にはなりますが、買取依頼をして購入しなおすより、金額面ではお得でした。
指定席の利用と比較して総合的に判断するなら買取依頼も十分アリな判断でしたが、そんなことを考えるとややこしくなるのも事実です。
なので、不足している区間を追加で購入すれば切符を利用することは可能なので、返品ができないと分かった時点で不足している区間を購入して利用すると決めてしまうのもいい判断になるでしょう。
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金券ショップをよく利用している方の中には、かなり新幹線や在来線の切符に適用されている料金ルールに詳しい方もいらっしゃいます。
そんな方でも新幹線回数券や在来線回数券の乗り越し精算のルールが、通常の切符の料金計算のルールと違うことをご存じない場合もあります。
金券ショップに目的の区間の切符がない場合に、別の区間を買おうとする方もいらっしゃいますが、回数券における乗り越し精算のルールについて誤解していることもあるので、なるべく詳しく利用区間についてヒアリングしています。
たまに鬱陶しそうにされてしまうこともありますが、せっかく安くしようと金券ショップを利用していただいていますから、損をさせるわけにはいきません。
ご面倒かもしれませんが、一緒にどうしたら料金が安くなるのかを考えさせていただければ嬉しく思います。店頭でもちょっとだけお付き合いいただければ幸いです。
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遠出をする方の中には、現地でホテルを利用する方もいると思います。
新幹線を利用する時にJRで切符を購入する場合、長距離で安くなるのは往復割引ぐらいです。
しかし、[テキスト新幹線]
切符を購入済でもホテルの代金を安くする方法
もし、切符を金券ショップで購入済みという方でも、ホテルの代金を安くする方法もあります。
ホテルの予約は[テキストホテル]
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