以前の記事「金券ショップで販売している新幹線回数券の使い方や利用条件について」でエクスプレス予約(EX予約)について少し触れています。
EX予約は年会費1,080円を支払ってJR東海エクスプレス・カードなどのクレジットカードを発行すると、『インターネット上で新幹線の指定席が予約でき、さらに指定席料金が自由席の価格と同じぐらいになる』というサービスです。
一方、スマートEXはEX予約とは別のサービスとしてリリースされています。スマートEXは年会費無料で、自分の持っているクレジットカードを登録できます。
登録するための個人情報が少なめ(住所不要)で、誰でも利用しやすいサービスとなっています。
今回はスマートEXの特徴や登録に必要な情報、スマートEXの割引サービスと適用区間、切符の予約方法や受け取り方法、払い戻しやキャンセル料金についてお伝えします。
なお、スマートEXの公式ページはこちらです。
この記事をご覧の方には「金券ショップで販売している新幹線回数券の使い方や利用条件について」も参考になります。
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スマートEXは東海道・山陽新幹線の切符をパソコン、スマホなどからオンラインで購入できるシステムです。
オンラインだけで支払いまで済ませることができるので、ある程度の個人情報やクレジットカード情報を入力する必要がありますが、EX予約のような年会費はなく、誰でも無料で利用することができるサービスです。
スマートEXを通して切符を購入した場合、一律200円の割引を受けることができます。また、SuicaやPASMO、toica、icocaなどと連携させれば、チケットレスで新幹線を利用することも可能です。
さらに、東京・品川発着の新幹線を中心に、一部区間でお得な割引サービスも提供されています。
スマートEXはオンライン上で24時間いつでもサービスを利用することができますが、基本利用時間と夜間利用時間が設定されています。夜間利用時間では払い戻しなどの一部の機能が利用できなくなるので注意が必要です。
通常利用時間 | 5:30~23:30 |
夜間利用時間 | 23:30~5:30 |
スマートEXは会員登録のために下記の情報を登録する必要があります。なお、交通系ICカードとの連携は任意となりますが、それ以外の情報は必須情報となります。
また、メールアドレスは登録後のマイページで複数登録することが可能です。PC用のメールアドレス以外に携帯電話用のメールアドレスを登録しておくと便利になるでしょう。メールアドレスを併用している方は自分のメールアドレスを登録するだけでOKです。
スマートEX会員登録リンクはこちら
スマートEXは、SuicaやPASMO、toica、icocaなどの交通系ICカードと連携させることで、新幹線をチケットレスで利用することができるようになります。
ただ、EX予約で登録しているICカードを併用することはできないので注意が必要です。とは言っても、EX予約を利用している方は、年会費を支払う代わりに様々な割引サービスを受けることができているので、スマートEXは必要ないでしょう。
電車での移動をあまりしない地域に住んでいて、交通系ICカードを持っていないという方もいると思います。このような方は、JRみどりの窓口や新幹線が停車する駅構内にある専用の自動発券機で切符を受け取ることができます。
スマートEXで予約した切符を受け取るには、予約時に利用したクレジットカードと登録時に決めたログインパスワードが必要になります。忘れないように注意しましょう。
実際に利用して分かったことですが、スマートEXで購入した切符の乗車券には特定都区市内が付きません。
通常購入した切符には、東京都区内や新大阪市内のように、周辺駅にも行けるようになっていますが、スマートEXで購入した切符は、あくまでも東京駅や新大阪駅までの切符となっているようです。
在来線に乗り換えをする場合、一旦新幹線改札の出口から出て、切符を買い直す必要があるので注意しましょう。
スマートEXには全区間ではありませんが、東京・品川を発着駅とするなる区間を中心に割引サービスも提供しています。
ここでは、利用者が多くなると考えられる「EX早特」「EX早特21」「EXのぞみファミリー早特」についてご案内します。より詳しい情報はスマートEX商品一覧にてご確認ください。
EX早特は「東京・品川⇔岡山」または「東京・品川⇔広島」の切符を乗車日の3日前までに予約することで割引となるサービスです。なお、割引金額には平日・土日祝日の2種類があり、普通車指定席の場合は土日休日の方が400円平日より安くなります。
平日では16.6%~16.9%程度、土日休日で18%~19%程度の割引を受けることができます。この割引率の場合、乗車券の20%が割引となる学生割引より安くなっています。3日前までの予約なら条件を満たすのが比較的容易ですから利用しない手はないでしょう。
具体的な金額については公式サイト-EX早特をご覧ください。
EX早特21は乗車日の21日前までに予約することで割引を受けることができます。「東京・品川⇔岡山」「東京・品川⇔広島」はもちろん、EX早特より取り扱い区間が多くなります。取り扱い区間の一覧は下記の通りです。
乗車日の21日前に予約しなければいけないので、条件を満たすのはやや厳しくなりますが、このぐらいの距離であれば出張などでの利用でも条件に合致するケースもあるでしょう。旅行などならほぼ確実に条件を満たせるのではないでしょうか。
また、割引率は20%~30%程度で設定されています。特に「名古屋⇔博多」の割引率が高く設定されているようです。なお、EX早特21はEX早特と違い、平日や土日休日の区別はありません。
具体的な金額については公式サイト-EX早特21をご覧ください。
EXのぞみファミリー早特はEX早特と区間が異なりますが、乗車日の3日前に大人小人合計2名以上の予約時に適用される割引サービスです。発着駅には「東京・品川」だけでなく、「新横浜」も含まれます。区間は下記の通りです。
大人小人が2名以上いればいいだけなので、条件を満たすのもそれほど難しくありません。割引率は大体11%~16.5%ぐらいになっています。
具体的な金額については公式サイト- EXのぞみファミリー早特をご覧ください。
ちょうど東海道・山陽新幹線を利用する機会があったので、スマートEXで実際に切符を予約してみます。スマートEXで切符を予約する方法は下記の流れになります。
まずはスマートEXにログインします。
スマートEXのログインURLはこちら(https://shinkansen2.jr-central.co.jp/RSV_P/smart_index.htm)です。
無事ログインが完了したら切符の予約をクリックします。
予約画面に移動したら、日程と大体の時間を入力します。
時間は出発・到着の予定時間の入力となり、15分刻みで選択できるようになっています。乗車駅と降車駅を選択し、人数を確認したら「OK 予約を続ける」ボタンをクリックします。
ちなみに、登録した区間から選ぶこともできます。自分がよく使う区間を登録しておくことで、プルダウンメニューから区間を選ぶことができるようになります。
登録できる区間は3区間となり、発着駅を逆にした6種類の区間を登録しておけます。
登録した区間のプルダウンメニューは、デフォルトでは上の画像のようになっています。
「東京⇒名古屋」「東京⇒新大阪」「新大阪⇒博多」とそれぞれの復路が表示されるようになっています。
新幹線を利用する日程と発着駅、利用時間が決まったら、「OK 予約を続ける」ボタンのクリックで候補の列車を選択できるようになります。
仮に、のぞみからひかりへの乗り換えなどが必要な場合、その情報も表示されるので安心してください。
希望の路線があれば「この候補を選択」ボタンをクリックして座席の指定に移ります。
利用する路線が決まったら座席の指定に移ります。お任せにすることもできますが、それほど難しいことではないので、自分で選んだ方がいいでしょう。
「座席表を見る」をクリックします。
最初に表示される号車が、最も座席予約の少ない号車(=不便な号車)になります。
大抵の場合は16号車など、階段から遠くて不便な号車になるので、真ん中あたりにある5~7号車や12~14号車あたりの情報も確認した方がいいでしょう。
希望の席をクリックすると、座席が赤色に変化します。最前部・最後部・窓側の座席にはコンセントがあるので、これらの席から埋まっていく傾向にあるようです。
座席が決まったらクレジットカードのセキュリティーコードを左下に入力して予約を完了させます。
この画面までいくと、現時点(2018年3月7日)では「戻る」ボタンがないので、日程や時間、座席の変更をしたい場合は「メニューに戻る」ボタンからやり直しになってしまいます。
ブラウザの戻るなどを使用するとエラーが出てしまうので注意しましょう。
予約完了時はこの画面になります。予約したまま忘れてしまわないよう、印刷するなどしておくといいでしょう。
スマートEXの予約キャンセル方法はこちら
スマートEXで予約した切符は、JR新幹線停車駅の「クレジットカード専用 EX切符受取」と記載された看板のある機械で発券できます。
なお、交通系ICカードとスマートEXを連携させている場合は、切符を発券せずに新幹線を利用することが可能です。交通系ICカードがあるなら、連携させておいた方が便利でしょう。
スマートEXで予約した切符は、基本的に新幹線停車駅なら発券できるようになっています。
首都圏や大都市圏の駅であれば、新幹線が停車しない駅でも切符の発券ができる駅もありますが、万が一発券後の切符を払い戻しすることになった場合、払い戻し手数料が高くつく可能性もあります。
新幹線の改札を通る直前で発券した方がいいでしょう。
切符の発券時に必要なものは下記の通りです。
クレジットカードと予約情報を紐付けしているので、ログインIDや予約番号は不要です。
上の画像はきっぷ受取時に発券される「ご利用票兼領収書」です。領収書が必要な方は、忘れずに受け取っておきましょう。
なお、交通系ICカードで乗車する場合、自動改札を通過した際に「EXご利用票」が発券されます。
また、ログイン画面右下に「ご利用履歴・領収書の発行」ボタンがあり、そこから領収書を印刷することもできます。
詳しくはスマートEX-よくある質問-領収書が欲しいのですが?を参照ください。
スマートEXを利用して、自由席を購入することもできます。
ただ、スマートEXは一律200円切符が安くなるだけなので、指定席を購入する場合は便利ですが、自由席を購入するなら金券ショップなどで新幹線自由席回数券を購入した方が安くなります。
ただし、金券ショップを利用する場合、決済方法が現金のみになってしまうので注意した方がいいでしょう。経費精算などが面倒な場合は、スマートEXを利用するのもありです。
スマートEXで予約した切符を利用しなくなってしまった場合は、もちろん予約のキャンセルをすることができます。
ただ、夜間利用時間は予約の払い戻し手続きを受け付けていないので注意が必要です。
基本として片道分の払い戻し手数料は310円、往復割引の場合は一括払い戻しで620円となっています。
ここではスマートEXの払い戻し手続きと手数料の大まかな決まりについてお伝えします。
スマートEXで予約した新幹線の切符を受け取ってしまっている場合は、乗車日当日までにみどりの窓口に行くことで払い戻しが可能です。
切符を受け取ってしまった時点でオンライン上でのキャンセル手続きができなくなるので、切符の受け取りは当日にしておく方がいいでしょう。
なお、指定席券を予約している場合は列車の発車前と発車後で払い戻し手数料が変更になるので注意が必要です。
払い戻し手数料は310円でオンライン手続きの時と同額になります。
スマートEXで往復割引を利用して購入した切符の復路払い戻しの場合は手数料が高くなるので注意が必要です。
ちなみに、切符を受け取ってしまった後は、往路が未使用でも復路のみ払い戻しをする場合は往路が使用済みとして扱われます。
つまり、旅程そのもののキャンセルの場合は、往路・復路同時に払い戻し手続きをしないと手数料が割高になってしまうということです。
なお、払い戻し手数料は、往復割引で割り引かれた金額+310円です。往復分の購入で割引されていた料金を返金することになります。
SuicaやPASMO、toica、icocaなどの交通系ICカードと連携しておき、チケットレスで利用できる状態にしておいた方が、払い戻し手続きが全てオンライン上で完結するので便利かもしれません。
EX予約で新幹線の切符を確保したまま、予約していることを忘れて、列車の発車時刻が過ぎてしまった場合でも、自動払い戻し制度により払い戻しされます。
自動払い戻しとは言っても、返金される金額は購入時の35%程度(1万円の切符なら3,500円程度の返金)と、かなり少なくなってしまうので、基本的には事前に払い戻し手続きをするように意識しておくのが無難です。
台風の接近や大雪のように、列車に大幅な遅れが出ている場合や、列車の大幅な遅れが予想される場合については、払い戻し手数料が無料になります。
確か、基準として2時間以上の遅れを大幅な遅れとしていたはずです。
なお、この払い戻し手数料が無料になった切符を受け取り済みの場合は、1年以内にみどりの窓口に行けば払い戻し手続きに対応してもらえます。
より細かい情報についてはスマートEX-払い戻しについてを参照ください。
関連記事「新幹線・電車・バス・飛行機の格安チケットについて」
[新幹線]
金券ショップをよく利用している方の中には、かなり新幹線や在来線の切符に適用されている料金ルールに詳しい方もいらっしゃいます。
そんな方でも新幹線回数券や在来線回数券の乗り越し精算のルールが、通常の切符の料金計算のルールと違うことをご存じない場合もあります。
金券ショップに目的の区間の切符がない場合に、別の区間を買おうとする方もいらっしゃいますが、回数券における乗り越し精算のルールについて誤解していることもあるので、なるべく詳しく利用区間についてヒアリングしています。
たまに鬱陶しそうにされてしまうこともありますが、せっかく安くしようと金券ショップを利用していただいていますから、損をさせるわけにはいきません。
ご面倒かもしれませんが、一緒にどうしたら料金が安くなるのかを考えさせていただければ嬉しく思います。店頭でもちょっとだけお付き合いいただければ幸いです。
金券ショップを利用するより安く新幹線格安チケットを購入する方法はこちら
遠出をする方の中には、現地でホテルを利用する方もいると思います。新幹線を利用する時にJRで切符を購入する場合、長距離で安くなるのは往復割引ぐらいです。
しかし、[テキスト新幹線]
もし、切符を金券ショップで購入済みという方でも、ホテルの代金を安くする方法もあります。
ホテルの予約は[テキストホテル]
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